つむぐ つなぐ つどう ~2023年ブランディング指針~

ブランディングコンサルタント、セカンドキャリアコーチの藤崎晶子です。
ブランディングのお仕事を本格化してから、昨年に至るまで、いかにクライアントの方々の想いを形にするか、いかに届けたいお客様に届けるか、工夫を重ねてまいりました。
そして、やってきたことを俯瞰してみてみると、MakeValueのオリジナルブランディングが、おぼろげながら形になっているのが見えてきました。
すべてのクライアント様とのやりとりに共通していたこと
すべての仕事で私が大切にしてきたこと

つむぐ つなぐ つどう

2023年のブランディングの指針として、これからのMakeValueらしさとして、大切にしたい3つのことをお伝えしたいと思います。
これは、取りも直さず、「今のブランディングの気分」であり、読んでくださる皆様のマーケティング、ブランディングに参考にしていただけると思います。

目次

何よりも大切にしたことは ~つむぐ~

最初からいきなり本題です。
「何より大切にしたことは」

それは、クライアントの方との「対話」です。
現在のサービスや、商品に至るまでの経緯、経験、思い。。。
乗り越えたこと、うれしかったこと、一番伝えたいこと。。。
これから「こうありたい」というイメージ。。。
事業を通じて成し遂げたいこと。。。

プロフィールを書かせていただくときにも、
キャッチコピーを制作するときにも、
サイト構成すべてを任せていただくときには、さらに時間も長く、
対話を重ねてまいりました。

それは、クライアントの中から、どんどんと、糸を「つむぐ」ような作業。
商品だけみていたのでは伝わってこない、それらを構成しているものたち。

さらに、今度は購入してくださるお客様の毎日を「つむいで」いきます。
朝起きてから、家族と会話したり、食事したり、仕事したり、笑ったり、疲れたり、ぐちったり、はしゃいだり、自慢したり、落ち込んだり。
そんな等身大のお客様となる方の姿を「つむいで」いきます。
それは、所謂ペルソナと言われる、年齢や性別、職業や、住む場所、ライフスタイルなどを「仮に決めた」だけでは出てこない「本音の毎日」。

つむぐ 作業で、クライアントと、お客様となる方を、解体していき、「どこに接点を持っていただくか」を考えます。
深い対話と共に、想像力が必要な「つむぐ」作業。
すべてはここからスタートします。

お客様はターゲット? ~つなぐ~

私は、ターゲットという言葉も、あまり好きではありません。
的を射抜く標的?
お客様は、「敵」なのでしょうか。
さらに、マーケティングを魚釣りに例えるのも、育てて刈り取る稲作的に例えるのも、ピンときません。

もっと自然に。
どちらも痛みなく。
そして、「それで終わり」の関係ではなく。

私のイメージは、お客様と「つながる」「つなぐ」という感覚がしっくりきます。
必要な物、サービスを、必要な人へと「つなぐ」。
つながったお礼にお代金をいただき、気に入っていただくと、また新たな「つながり」が生まれるかもしれません。
「つながりで商売するの?」と、何かお知り合いに物を売りつけるイメージを持たれるかもしれませんが、それとはまったくの別物。
押し売りすることなく
商品の価値をしっかり理解していただき
試していただき
ファンになっていただく

幸いなことに、私のクライアント様の商品は、私も惚れ込む高品質、高付加価値な商品、サービスばかり。
まずは、そのよさを知っていただき、リピートしていただく。
そこから始めたいのです。

数字のために数字を追っかけない

それって、20%の濃いお客様が、売り上げの80%を担っているっていう考え方だよね!
という声も聞こえてきそうです。
もちろん、その要素もあり、ファンを広げていきたい。深めていきたい。
でも、数字をあげたいばかりに、数字ばかりを追っかけない。
数字ありきのサービスだと、どこか冷たさや打算的なところが伝わってしまって、それこそ「今求められている空気」と違うと思いませんか。
今、求められているのは「温度感」。
手間はかかるけれど、そこに交流や対話や成長がある「温かさ」が求められていると思うのです。
かたちばかりの「いいね!」や、つくられたサービスのリアルとバーチャルの落差に嫌気が差し始めている今。
本当に共感できる! 応援できる! 参加できる!
そんな「温度感」が求められています。
私のサービスはどうだろう?
皆様のサービスはいかがですか?

私が通っている鎌倉の皮膚科。
先生は、必ず世間話をされます。地域の子供の成長も、年配の方の安心も、包み込む診療が人気で、オンライン予約は、開始から数秒で数十人が予約します。
かも皮膚科

同じく鎌倉の「まちのスナック」。
市民が、日替わりのマスター、ママをつとめる街に根付いたスナック。
ガラス張りで外からも見渡せる店内は、マスター、ママのお友達から、近所の方、旅の方までいつもにぎわっています。
まちのスナック

変わってきた~つどう~の意味

コロナ禍で、オンラインが急速に広まり、オンラインで全国の方と繋がれるようになりました。
一方で、リアルで会えることの価値も改めて感じる今日この頃。
いっとき、オンラインサロンや、オンラインコミュニティも流行りましたが、今は、どのような「つながり」が求められているのでしょうか。
私の肌感覚としては、むやみやたらに人と繋がることには、皆疲れているのではないかと。
より価値感のあう人と繋がりたい
より自分を活かせるコミュニティに身をおきたい
そのようなニーズがあるように感じます。

リラックスできる

成長できる

私を活かせる

そんなキーワードが浮かんできます。
肩ひじ張った場、背伸びをしなければならないコミュニティ、仕事のためと我慢して所属するグループ。
そのような「つどい」に参加するのは時間がもったいないと。

最後のキーワード
つどう
ここに関して、絶対的な答えがあるわけではありません。
こうすれば、楽しいつどいの場になる。
こんなイベントで、コミュニティのエンゲージメントが高まる。
といったノウハウ。。。。

ただ、ひとつ言えるのは、「人」をもっともっと介在させること。
「人」が生み出し「人」に届ける。
そこに、「つどい」が生まれる。
だから、人の笑顔や、頑張りや、苦労や、信念を、伝えていきたい。
それは、今までのマーケティングにあった「ストーリーテリング」とは一味違う、「お客様とつくるストーリー」。
ナラティブアプローチに近いのかもしれません。



今治のタオルメーカーIKEUCHI ORGANICは、顔の見えるブランディングを展開。
工場見学を含めたファンミーティングでは、主役は職人、代表はバスガイド。
お客様が「うちの子」と呼ぶタオルを持参されたり、職人さんにサインを求める方がいたり。
まさにファンクラブですね。
 IKEUCHI ORGANIC

職場というコミュニティをコーヒーで笑顔に~そんな発想から生まれたネスカフェアンバサダー。
アンバサダー(ネスカフェのバリスタを導入する代表者)と共にサービスを企画したり、パーティやキャンプ、ベトナムのコーヒー農園ツアーも!「ファンは企業と一緒に楽しみたいと思っている。」
ネスカフェアンバサダー

リンク参照)ファンベースなひとたち  佐藤尚之 津田匡保著 日経BP

寄り添いブレない軸づくり

上記ネスカフェアンバサダーを推進された津田匡保さんは、神戸で阪神淡路大震災でに被災し、1月の寒い避難所で、ボランディアの方にいただいた一杯のコーヒーが忘れられなかったそうです。
そして、ネスレに入社。
今度は、東日本大震災が。ブックワゴンで被災地に本を届ける友人について被災地に行き、バリスタ(コーヒーメーカー)を設置したところ。。。
孤独だった被災された方々のなかにコミュニケーションが自然に生まれたそうです。
そこから、このサービスで日本を元気に!とネスカフェアンバサダーがスタートしました。

私も、阪神淡路大震災の被災者であり、寒い冬の避難所を経験しました。
底冷えする体育館。あたたかい食事などありませんでした。
そこで飲んだ1杯のコーヒー。
きっと涙がでるほど美味しかったのだと思います。

コーヒーをコミュニケーションツールに。
美味しさだけでなく会話も、心の交流も届けたい。

ネスカフェアンバサダーは新しいサービスではありませんが、今、求めれられるコミュニティのひとつの形だと思います。
参加する喜び
お役にたてる喜び
新しい体験をする喜び

私たちは、自分のサービスを俯瞰で見て、どのような「つどう」をデザインしていくかを考えるときかもしれません。
そして、「なにが必要?」と素直に問いかけると同時に、提供する側の、ブレない軸が必要ですね。

お客様の声をうかがいながらも、ブレない軸があることで
ずっとファンでいていいんだ
の安心感に繋がると思うのです。

つむぐ  つなぐ  つどう

私もクライアント様のファンメイクをお手伝いしながら、私自身もファン=仲間を増やしたい2023年です。

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この記事を書いた人

藤崎 晶子のアバター 藤崎 晶子 ブランディングコンサルタント・セカンドキャリアコーチ・国家資格キャリアコンサルタント

食品、外食、化粧品のブランドマネージャーを経て、2001年より独立。オリジナルメソッドで、イメージコンサルタント養成、独立起業ブランディング、また、企業研修、講演などをおこなう。
多忙な中での高齢出産後、自身のブランディングに迷い、体調まで崩すことを経験。どのような時でも、「その時の自分」を真摯に見つめ認め、「持てる経験を価値にするブランディング」の大切さを痛感する。2020年よりコーチング、ブランディングの仕事を本格化。
現在は、セカンドキャリアのサポート、あいづち道場の主宰、ブランディング×キャリアデザインで、組織・サービス・人の【らしさを言葉に形に】することをサポートしています。

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